[レポ]舞台『ジパング!』が引くほどクソだった件
※この記事はあくまでも観劇をしたうえでの""感想""です
※関係者の誰かを貶めるとかそういった意図はありません
※めちゃくちゃネタバレ挟みます
※あくまでも""感想""です
初めてクソ作品に出会った。
いやマジ過去イチで。
今の感情としては企画と脚本のお二方が携わる作品と、ここ主催の作品にはもう一生行かない。のレベル(ていうか主催の代表が脚本なの?!救いようないじゃん。)
いろいろクソだけど、とにかくクソだというだけじゃなくて、きちんとカテゴリ分けしてどこがクソだったか具体的に記録していこうと思います。(クソクソ言い過ぎだぞ?)
▷公演概要
〈公演名〉
〈出演者・スタッフ〉
佐藤信長/寺西拓人/平子悟/松本幸大/田中雅功/髙田彪我/山下由奈/仲美海/宮地大介 他・蓮見智威/金沢知樹/山部泰嗣 他(敬称略)
〈日程〉
2022/12/16〜2022/12/20
全8公演
〈あらすじ〉
今より別の時代、別の世界ーーー
ジパングと呼ばれる16の地域に分かれる倭の國は争っていた。
その中でも突出して強く、一大勢力となった宮の國の戦鼓士、そして王である、巨埃。
巨埃の打ち鳴らす音は、7つの國をなぎ払い、7年の歳月をかけ、ジパングを統一した。
巨埃には2人の息子がいた。1人は血の繋がっている慈陀。
そしてもう1人が養子として育った、この物語の主人公、阿図。
2人は兄弟として育てられた。巨埃は息子を後継者にすべく、戦載の技術を叩き込んだ。
阿図と慈陀は切礎琢磨し、成長を遂げる。
「戦士は剣士としても屈強であれ」という教えのもと、その言葉通り、武人としても、戦士としても、兄弟の右に出るものはなかった。
そして慈陀24歳、阿図20歳の時に、事件が起きる。巨埃が暗殺されたのだ。
そしてその暗殺の容疑が第一発見者のある者にかけられた………。
▷脚本がクソ
まずね?""①あらすじ""と""②話の序盤""と""③話のヤマ部分""で与えられる設定が全て違う。
①あらすじ
→王には2人の息子がいた。1人は血の繋がっている兄。もう1人が養子として育った弟(主人公)。
②話の序盤
→何百人の中から才能のあるものとして王の後継者として養子に迎え入れられた2人
③話のヤマ部分
→実は弟は王と血の繋がった実の親子だった!
いやね。②→③は分かるのよ。理解できる。実の親子だと知ってたら出る甘えもあるだろうし。
兄は?????
兄の設定どこいった?????
校閲死んだんか?????
それともHP作った人間の読解力がクソで読み違えたん?????
もう序盤で「ん?」ってなってて。いやほらこういうのって、実は血が繋がってませんでしたーって意味わからないじゃない?大体こういう相続ものって意外な人と血が繋がっていた!ってやつじゃん?あれ、兄の設定は?って。そしたら急に弟が実の息子ですってなってて。
校閲死んだんか?????(2回目)
""そしてその暗殺の容疑が第一発見者のある者にかけられた………。""の部分の文章もおかしいことに気がついておこ。
第一発見者は兄では?そして容疑がかけられるのは弟。めちゃくちゃすぎ。
あとね、書かなくちゃいけないところが書かれてなくて、書かなくても良いところが書かれているところとか。
剣のお稽古でお互いをベタ褒めし合う兄弟、わかる。
が、お互いの気持ちが書かれてなくて不完全燃焼。
というか、相手のためになにか行動を起こすの、弟だけとかいう。
もちろん、まっすぐな兄と、思いやりの深い弟。兄は弟に対してもまっすぐだし、弟は兄に対しても思いやりが深い。書かれているといえば書かれているんだけど、具体的なエピソードが弱い!
……よくよく考えたら兄のまっすぐさ、""父の言うことだからやる""というだけで弟に対するまっすぐさじゃない気がしてきた…。
父から申しつけられて他の国へ手紙を届けに行く弟。
付き人に対して、「2人の時は(敬語じゃなくていいよ)」と伝えているシーンがあったけど、
………なんで?????
ただ仲良いの?養子になる前からの友人??それとも本当の兄弟とか???
""なぜ""が書かれていなくてただの憶測で終わってしまう辺り、めちゃくちゃ嫌。
(しかも後半、弟と父の戦闘シーンで一切動かない付き人。助けようとしたれ。兄の付き人も途中で出会う他国の姫の付き人もちゃんと主人守ってたぞ。)
兄は兄で、負けたら終わり。ただただ受け止めて打ちひしがれる。
父を盲信しすぎているという設定でもあるけど、もう少し兄の感情や葛藤している様を書いてあげないと、ただただ世の流れに流される弱い兄になってしまっていて。頭悪そう!
演技が素敵なだけにもったいなさすぎる……。
あと、2回ほど殺されそうになるのに受け入れるの早すぎ。足斬られてすぐ戦意喪失しすぎ。そんなんじゃ王にはなれないぞ。(?)
それから父よ。全部後出しなんだわ。
父が極悪非道なのも、暗殺されたはずの父が生きていたのも。
こういうさ、死んだと思ってた人物が生きてて黒幕でした!って作品、基本伏線とかむちゃくちゃなのであまり好みではないんですが、その典型すぎた……。
つーか父、最初から弟に甘いのよ……。極悪非道の王でも血の繋がった息子には甘いか……解せない……。
結局、あれもこれも詰めようとしすぎて全部上手くいってない、みたいな感覚。
メインの題材が分からない。
父を超えていくのがメインなら、結局今回の演目だけでは超えられていないし、
主人公である弟の成長がメインならあんまりにも散らかりすぎて主役感がなさすぎるし、
兄弟の絆がメインなら、
弟を手にかけないといけないかもしれない兄の葛藤もなければ、いつの間にか自分より強くなっていた弟を受け止め前を向きサポートしていく兄もいないし、
特別兄弟の間に確執もなければ仲良すぎるとかもなく、不完全燃焼が過ぎる……。
そういえば途中で仲間になる少年、急に笛吹いたりするけど、特別なにかのキーワードになる感じではなくて草だった。
ただただこの笛を持っていた少年の父が、兄弟の父に殺されたことが分かり、兄弟の父が悪いやつなのでは?ってなるだけ。
そもそも、今回の作品のメインとして探す2つのもののうちの1つ、序盤の序盤で、父から""お前(弟)が持ってる""ってネタバレされてたので、笛もクソもなかったな……。
私だったらこの笛で奏でる音色を探し物の1つにしたよ……。
原作脚本演出が同じ方なのが裏目に出た作品。大きい企画じゃないからこの人のやりたいことを「時代的にまずいですよ」とか「それ面白くないです」って言える人や環境がなくて、そりゃこうなるわ……。な気持ち。
もちろん全て同じ方が担当してとても素敵な作品もあるよ?でもこれは完全にダメな例……。
それぞれのプロ頼ろうね……。
(原作、ということは元になるなにか小説のようなものがあるということだと思うんだけど、それを脚本へ書き直すことがどれだけ大変なのか身をもって知ったみたいなところもあるw)
▷演出がクソ
つまらんとかじゃなくてクソ
ストーリーは王道でベタなやつなので演出とセリフ変えたら絶対おもろくなるとこ含めてクソ
絶対にここ良い表情してる!って思うシーン、全部客席に背中向けてたり、うずくまってたりしてた。やる気ある?
序盤のお稽古手合わせが本気になって兄弟を殺せと言われたシーンは伏せてて誰がどんな表情をしているか分からないし。
弟に馬乗りで殴られるシーンも、頭が舞台の奥側なので見えない。(横向きで殴ってくれれば、殴る側のお芝居も殴られてる側のお芝居も見えるのに。)
※ちなみに殴られて落ちた後のお顔がスヤァ…ってなってるのは上階から見れます可愛かったです。
ついでにヤマ部分、弟を追い詰めて兄弟で対峙するシーン。後ろにいる弟の方に完全に向いてしまっているので兄、背中。
弟がめちゃくちゃ良い表情してて、これ、兄も絶対良い表情してるのに!って思って、残念すぎた。
演者のオタクの傾向分かってる?みんな半分顔を見にきてるんだよ???(?)
それと、暗転多すぎ。
多くても3回が適切だと言われている暗転が10回以上挟まれてて。
こちらの集中力は持たないわ目も疲れるわで最悪。
しかも、暗転の内容も「場面が切り替わる」だったり、「夜から朝になる」だったりというものが多く、暗転の良さも活かせてない。
せっかく上下にセット組んでいるし、小さい劇場といえピンスポで充分客の視点は切り替わるし、暗転を映像作品のカット割みたいな扱いにされちゃ困る。
イメージ的には映画に5分に1回CM挟まれてるみたいな。きつい。
ちなみに峰打ちなのにライト赤くなって倒れてたのでいや峰打ちやん……。という気持ちにもなった。台本も演出も両方ミスリードて。
見づらいな〜〜と思ったのは、狭い舞台上に高さのある太鼓のセットを3つも組んでたとこ。
座席が上下に振ってたら見づらさしかない。あれ絶対1〜2個で良かったよ、太鼓のセット。真ん中のやつずっと出しておく意味もないし。もっと広いところで殺陣やろう?
でもこんなクソ演出でも良かったところが2つあって。
ひとつは仲美海さん演じる他国の姫の叩く太鼓。迫力があってとてもかっこよくて!
他の方々の太鼓も、無茶な叩き方をしてる方がいなくて、これはきっと太鼓監修の方がとてもすごい方なんだ!って思って調べたら案の定とてもすごい方だった。あの短期間の稽古(憶測)でここまでに仕上げられるなんて……。
逆にそんなすごい方なのにこんなんに参加させられて可哀想に、、の域でもある(小声)
もう一つは、極悪非道の王に他国の姫が殺されるところ。付き人が庇って一緒に串刺しにされているの、SHOCK通ったオタクは絶対好きだと思う。
▷環境がクソ
まずな?会場。
とても小さくて距離が近くて、双眼鏡無くても見える距離だな〜って思って出さなかったけど、それ以前の問題。
座席の蝶番のが緩くて、深く腰掛けて背中を背もたれにつけると座面が閉じそうになる。クソ。
3階は座席幅も通路もゆったりしていて良き〜!と思って座ったら、天井しか見えなかった。笑う。
仕方がないので(1列しかないし)背中浮かせてみたら、手すりが0番にどん被り。見えないな。
結局、お尻が半分くらいしか乗っていない状態かつ前傾姿勢で1時間40分。ロダンの考える人状態。つら。
で、スタッフ。
うろうろすんな。
絶対に黒スーツを着ろともカラースーツを着るなとも言わない。
だけど、何にもないのに上演中に客席うろうろするのだけは辞めていただきたい。目立つ。
しかも初日終演後、規制退場が始まる中ロビーで名刺交換をする関係者……。
裏でやってください……。
通路塞いでて邪魔だしなんか明け透けだし、関係者の知り合いっぽい方々の観劇が多く頑張って座席埋めている感じもありまして。
せめてお客さん全員退場させてからか関係者しか入れない場所でやってほしい……。
(そういえば演者さんが満員ありがとうみたいなツイートしてたけど、ちらほら空席あったのもまたなんか滑稽だった。しんど。)
▷感情
ジパングの良いところ:寺西くんが出てる
ジパングのダメなところ:寺西くんが出てる
もはや寺西くんが出演してることすらダメ。こんなのに出ちゃダメだよw
もはや黒歴史。
この仕事がbiographyに加わるのが嫌。
観劇歴10年以上、公演数も3桁観てるけど、ベストオブクソ。
逆に、普段いかに良質な作品に触れているか再確認できる機会だったかもしれない。
作品の内容がバッドエンドで悲しいのって、そこまで感情を持っていけた作品すごい!ってなるけど、単純にクソで悲しいw(どれくらいクソかというと、全くの他人の結婚式の馴れ初めムービーの方が話の筋通ってて見応えあるくらいクソ)
これをみて褒めなきゃいけない関係者かわいそう。お金を払ってクソって言える私たち恵まれてる、って感想が出てくるレベル。
あと文句を言わずに稽古して公演してって仕事しなきゃいけない演者がかわいそう。これも試練だと思えば…、とかじゃない。
寺西くんの二の腕は美味しそうだったし肘壊しそうな太鼓の打ち方もしなくなってたしひたすら受け身の殺陣が上手すぎた、だけ。
みたいな。
Twitterにつらつら落としたものを編集したのでちょっと最後ぶつ切りになってしまいましたが、クソさが伝わっていればなにより。
あーーーマジで一生同じスタッフの作品観に行かねーーー!!!
2022.11.20